取扱実績:病院・森林保全・給水・災害復旧支援

アフガニスタン

　アフガニスタンでは、長期に渡る内戦の影響を受け、保険・医療環境が極めて脆弱であることから、平均寿命、乳幼児死亡率および妊産婦死亡率も世界最低の水準にあり、医療・保険サービスが普及していない地域は未だ数多く存在しています。

　本プロジェクトは、同国北部の県立病院に医療機材の供与を行うことにより、医療診断・治療サービスの向上が図られるとともに、同病院所在県を中心とする周辺地域住民約600万人に適切な医療機関への患者紹介・運搬システムの強化が期待されます。
また、パキスタン・アフガニスタン両国に跨るトランジット輸送となることから、多種多様な医療機材に係る免税手続きの十分な理解とその手配、並びに、安全且つ円滑な内陸輸送の両面が不可欠になります。

　前者については、パキスタン及びアフガニスタンの免税準拠法に従い、両国関係省庁に対する免税書類を漏れなくそろえ、また後者については、事前のルート及びサイトサーベイ実施による問題点抽出とその解消を実施のうえ、特に危険が予測される地域通過の際には、政府認可のセキュリティー同道に加え、当社現地協力店社担当者を直接輸送に同行させる等にて万全を期し、結果として全輸送を円滑に完了させました。

マラウィ ・ カメルーン

　2008年スイス開催のダボス会議にて、気候変動対策における開発途上国支援のための資金メカニズム「クールアース　パートナーシップ」が福田元総理大臣より発表され、気候変動に脆弱な途上国の地球温暖化への適応策（森林保全、防災、干ばつ、洪水等の気候変動に関連する環境被害への対策、温室効果ガスの排出提言による気候変動の緩和（発電エネルギー効率の向上）など）に対する一環支援を目的として、「環境プログラム無償資金協力」が実施されることとなりました。
その後、現在に至るまで、同分野において数多くの無償資金協力（ＯＤＡ）が日本政府より実施されており、輸送面を通して、当社もアフリカや南米、太平洋諸国をはじめとした、数多くの発展途上国に向けた政府無償資金協力案件に携わっています。以下、同案件に関し当社にて取り扱った輸送の一部をご紹介いたします。

◆マラウイ共和国　気候変動による自然災害対処能力向上計画
　マラウイでは、近年、気候変動の影響により、毎年雨季に国内各地域で洪水被害が生じており、農業生産や公衆衛生に深刻な被害が出ています。日本政府は、このようなマラウイの状況に鑑み、環境プログラム無償資金協力「気候変動による自然災害対処能力向上計画」として必要な資機材を供与しました。当社は整地用途に使用する建設機械をはじめ、給水・排水設備や、森林局職員が調査に使用するステーションワゴン、マイクロバスなど、多岐に渡る貨物をモザンビーク及びタンザニア主要港から、マラウイ共和国へ国境を跨いだ内陸輸送を行い、スムーズに輸送を完了いたしました。本計画実施により、マラウイ被災民への給水等を通じた生活環境の改善と、河川の堤防整備による洪水被害の防止が期待されます。

◆カメルーン共和国　森林保全計画
　環境保護の専門家によると、過去５０年間で世界の約半分の熱帯雨林が消失したと言われており、森林保全の必要性は地球規模での課題となっています。広大なコンゴ盆地を擁するカメルーンにおいては、近年違法伐採を含む森林破壊が深刻化しており、日本政府は同国に対し、森林の基礎情報の収集、モニタリング、評価等に必要な資機材を支援しました。当社は森林調査機材（観測機器、テント、寝袋など）やデータ解析に使用する各種コンピュータ、ソフトウェアの輸送に携わりました。本協力の実施により、同国での森林破壊の抑制や、温室効果ガスの排出量削減に貢献することが期待されます。

　

日本

　当社は、2011年に、中部国際空港向けに航空輸送された非常電源装置の揚げ荷役作業を合計５回行ないました。

　この非常電源装置は、東日本大震災により発生した深刻な電力不足を補う為に航空輸送されてきたもので、アメリカとイギリスから、世界最大の貨物飛行機であるアントノフに搭載され、横須賀の火力発電所へ搬入されました。

　今回、使用された航空機材はAN-124という機体で、貨物室のサイズは、長さ：43.00m、幅：6.40m、高さ：4.39m、最大積載許容重量は120トンにもなる大型のものです。中部国際空港の上空を旋回してから着陸態勢に入り、滑走路に降り立った姿は、他の飛行機とは異なる独特の容姿で、多くの人の注目を浴びていました。
所定の駐機場で、機体前方Noseがゆっくりと上がり、貨物室の全貌が現れ、トレーラーヘッドを装着した電源装置をゆっくりと引き出し、中部国際空港ターミナルへと無事荷降しを完了しました。